女性に限らず社会人になれば事あるごとに『仕事を辞めたい』と思うのは、それは普通の事です。例えば、今日は仕事が忙しいけどなんだかヤル気が出ない、駅に立っていると反対側に来る下りの電車に乗ってどっかへ行ってしまいたいとか。仕事で失敗をしてしまった、得意先や上司に謝りにいかなくちゃいかない、だけど事の発端の原因は僕じゃないのにとか。最初はちょっとした細かなことだったりします。
こうした事が自分の中で上手く粉々に砕かれて体に同化していかず、いつまでもぐずぐずと渦をまいているから、“あ~あ、なんだか会社辞めたくなってきちゃったなあ。大して仕事のわりに給料良くないし”とだんだん逃げ腰になってくるのです。そして決定打が、上司に大きな声で罵倒されたことで爆発して、“や~めた!”と口先だけ。本当に辞めたいとは思っているわけではないのは自分でも分かっているから、こういう言葉を吐いて逃げているだけです。
女性の場合も同じような事で辞めたいと思うのですが少し違うところは、仲良くしていた親友の結婚が決まった時とか、仕事をしていても自分だけ評価されていないと思うことが多いと感じた時とかです。社会に出ると不合理な事はたくさんあります。会社の中などは本当に多いです。自分のせいで問題が起こったのではないのに、いつの間にか自分のせいにされて謝らされたりします。でもそういうことも人と人が関わりあって仕事をしている以上は避けられないこと。その都度“それは違うでしょ、悪いのはあなたでしょ”と言えるものなら言いたいです。がしかし、そこはぐっと我慢をして謝って終わりにします。
さらに口うるさい先輩や上司がいて自分を目の敵にしていると思うと、もう“会社に行きたくない!”となります。その気持ちも十分分かります。
しかし自分はどういう立場で、ここにいるのかを考えてください。何はともあれ、自分は社会人で会社に仕事をしに来てることを忘れてないでください。特別人と上手くやろうなどと思わなくともよいです。会社は仕事さえきちっと熟せば支障はない訳ですから。
そんな時のコツは、どんな理不尽なことがあってもその場では腹を立てないことです。1人になった時にじっくり問題を検証しどうすればよかったか、きちっと整理して考えてみることです。そしてどう考えてもおかしい、この時を逃したら今後も同じことが起きて嫌な思いをすると思えば、上司なり先輩なりに軽く聞いてみることです。
なかには自分の思い過ごし、自分の誤解ということもままあります。“会社や人が嫌だから会社を辞めたい”と思って逃げても、今の嫌な事を解決しなければどこにいってもその同じ嫌な事が追っかけてきます。
ですが、必ずしも退職することが悪いこととは限りません。中にはスキルアップの為に退職する人や劣悪な職場環境の為に鬱などの病気になり、生活そのものが困難になる人もいるからです。
私の友人の話です。彼女は都心の大きな病院で看護師として働いていました。そんな彼女が地元に帰ってきたというので話を聞いてみたところ、職場の人間関係に疲れたから辞めて帰って来たと言っていました。女性が多い職場だけに、人間関係は特に敏感なようです。同僚と折り合いが悪く辞めようか悩んでいた時に、実家の近くのクリニックが看護師の求人を出しているのを知り、勤めていた都心の病院を辞めて地元に戻る形で転職を決意したそうです。
ですが、彼女曰くこの転職は成功だったと言っていました。都心の病院では忙しさのあまり機械的に働く中でやりがいを見失っていたそうです。しかし、地元のクリニックで働く中で患者さん一人一人の顔を見て看護をするうち、自分が夢見ていた看護師の姿に近づけた、看護学生だったころの真っ直ぐな思いを取り戻せたと感じたそうです。
仕事を辞めたいと思うときは、心が弱っている時です。それと同時に、人生の大きな影響を与える転機のサインなのかもしれません。